築42年戸建に70万円引きで指値を入れていましたが、押し戻されて50万円引きで妥結しました。指値額は少ないのですが、もともとの売り出し価格が低めでしたから、わたしとしては満足な価格です。むやみやたらに大きな指値をすることは好みません。物件の価値にあった価格を指値します。
古くてもメンテナンス次第で家は良くなる
築42年とはいっても、この物件はとても丁寧にメンテナンスがされていました。
外壁は、全くチョーキングしていません。チョーキングとは、指で外壁を触ったときに指にチョークの粉のような粉末がつく状態をいい、外壁が劣化している証拠になります。この物件は5年毎に外壁と屋根の塗装をしておりました。外構の壁はレンガ積みで見栄えが良かったです。
水回りも全て交換済みでした。キッチンと吊り戸棚はグレードの高い製品に2年前に交換されています。浴室はジェットバスに交換されています。トイレ、洗面化粧台も交換済みです。
なお、ジェットバスのジェット機能は故障時に修理代がかさむ恐れがありますので、賃貸契約書を作るときには特約事項欄に「故障時は貸主は修理しない」という一文を入れました。
各部屋にはお掃除機能付きのエアコンが設置されており、設備類の交換はまったく不要です。クロスと一部床材だけを交換すれば高めの家賃で貸せます。
なお、駅徒歩5分、駐車スペース1台、接道は公道南向き、という点も文句無しです。
メンテナンスをしていても不動産評価は上がらない
これだけ丁寧なメンテナンスをしていても、築42年にもなると不動産業者の査定額は厳しくなります。「土地値」にしかなりません。せいぜい実勢価格か相続税路線価評価額か固定資産税路線価評価額か、のどれかにしかなりません。建物の価値は0とみなされます。
この物件は軽量鉄骨造でした。法定耐用年数は27年です。法定耐用年数を過ぎてしまえば、築27年だろうと築42年だろうと建物評価は0です。
ここに市場の歪みがあります。建物評価が0であろうと、わたしたち不動産投資家は建物を貸して賃料を得ることができます。わたしたちにとっては価値があるのに、不動産業者、ひいては売主にとっては価値がないという違いで儲けがでます。
満額買い付けに買った理由とは
わたしは午前に内見して指値で買い付けを入れたのですが、午後に内見した方は二番手とはいえ、満額で買い付けを入れました。それでもわたしが買えたのは理由がありました。
- 瑕疵担保面積
- ローン特約なし
- 内見時に手土産を持って行った(効果は不明・・・)
このほかに大きな理由がありました。
売主は、遠方の高齢者施設に入居申し込みを出していたのですが、それが決まって引っ越すまで住みたいと希望されていたのです。高齢者施設の入居が決まる時期は未定でした。
二番手に買い付けを入れた方は、自己居住目的で戸建を探していましたから、「高齢者施設の入居が決まる時期が未定」という条件は、なかなか受け入れられづらいところがあります。
それにひきかえ、わたしの場合は賃貸目的ですから、この戸建を買った後に、売主にそのまま貸すことが可能です。むしろそのほうがありがたいです。
売主の希望とわたしの利害が一致したことで、わたしが買えました。
不動産は、まったく同じ物件は存在しません。売主の事情もさまざま、買主の目的もさまざまです。不動産売買はこのような個別要因があるのが面白いところです。
日本政策金融公庫で融資付け
融資は公庫に申し込みました。無担保融資枠は使い切っていましたので、以前に無担保融資枠で購入した物件を担保にして借り入れしました。今回購入した戸建は担保に入れませんでしたので、無抵当の物件が手に入りました。次の物件を購入することきは、今回の戸建を担保にいれれば、また借り入れができます。
ですので、無担保融資枠で物件を買うときも、担保評価の高い物件を買うことで、次の融資が有利になります。
無担保融資よりも担保を使う融資のほうが金利が低くなります。いままで築古物件で借りてきたなかで最も金利が低くなりました。公庫は固定金利ですから、低い金利で固定されると安心できます。
決済・引渡し・賃貸契約
決済・引渡しが終わりましたら、つづけて売主と賃貸契約をしました。わたしとしては空室期間がないメリットがあり、売主としては希望通り高齢者施設に入所するまで住み続けられるということで喜んでいただけました。